虹蔵不見(にじかくれてみえず)Rainbows have retreated.

 Photo by そよ あの日、あの瞬間、心の端っこを持って行かれたまま、 幾つもの季節が過ぎ、今また出会えたね、愛しい人。 虹は見える角度とそうじゃない向きがあるよね。 見えても、あっという間に消えてしまうし、 かと言って、なかったことにはならない夢だね。 それはもう「決して忘れないよ」とか、 「信じているよ」みたいなことでもないんだよ。 いくつかの奇跡の重なりによって現れ、 ひとつふたつと、それが解ければ、消えていく。 またの奇跡には期待せず、自分の時を歩むことだけが、 次の便りを連れてくるのだとしか思えません。

小雪

少し背伸びしたシックなロングコート。照れくさくて、いいんじゃない?という母の顔を見られなかった15歳の私。襟元にまとわりついていた、予感のような秘密ゴトのような微粒子の気配を、今でも思い出すことがあります。