禾乃登(こくものすなわちみのる)Rice ripen.

 Photo by そよ 他に何が選べただろう? 選べないと思い込み、選ばなかったものは何だろう? とにかく、収穫の時は来たのだ。 がっかりするのも権利だろうか? 少なく見えても重みのある果実は、その手の中にあるだろうか? *** 月は満ち、やがて翳ってゆく。 僕らの指先には、もう熱の名残もない。 厳密には、あの時の熱の名残は、もう、ない、のだ。

蒙霧升降(ふかききりまとう)Thick fog begin to form.

 Photo by そよ もう夏には飽きた。 思わず、そう声を上げたくなるほど。 いやいや、苛立ちは自分に対して、だよ。 わたしは、わたしに飽きてきたのだ。 何という罪。 何という空。 夏を舐めるな。 自分を舐めるな。 まだ石碑になるには、早いんじゃ。 *** 音花火、三歩遅れてついてくる。