竹笋生(たけのこしょうず)Bamboos shoot up.

黒水晶のような子鹿の眼(まなこ)。 「躍動」と名づけたその石を、 竹藪から渡ってきた風が称揚する。 雷(いかずち)の丘では、出会ってしまった蝶二匹。 嘆きにも似たダンスを見せて。 真っすぐと曲線、また真っすぐと曲線が、 屏風画のように迫る五月。 *** 飛んで行きそうで行かない、どっちつかずのダンス。 破滅を望んでなどいない風で、どこかでそれを待つような。 乾いた胸に、まだ雨は降らない。 Advertisements