梅子黄(うめのみきばむ)Plums ripen.

 Photo by そよ 果実が果実らしく、本領を発揮しはじめる。 コロコロとしたその香り高き様子に、 つい頬が緩むのは、 今、手元にある恋が実っているからだけではありません。 そろそろ、雷鳴を閉じ込めたネックレスを用意して、 あの人がやって来る。 Advertisements

腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)Fireflies rise from under old leaves.

 Photo by そよ 逝ってしまったあの人が、帰ってきたわけじゃないのよ。 でもね、そう感じられるほどに、 あの人の気配や匂いを連れてきたわね。 ぽつぽつとした小さな光は饒舌だった。 お母様、心安らかな夏を迎えるのですよ。 そうね、そう致したいものね。 おめでとう。 ありがとう。

螳螂生(かまきりしょうず)Praying mantises hatch.

 Photo by そよ 露草の形と青は、カマキリたちにも、よく似合う。 ツンとしてユンとする、その葉の先に。 ところで、あなた、何を切り取って、その口に入れるの? ちょっとしたタイム・スライダーの遊軍。 なかなかのパンチ、効いてる。 どうか、そのまま。 誰にも飼い馴らされることのなきように。

芒種

水分を含んだ深呼吸。こんな田舎に来ちゃって、やること他にないじゃん。あなたの胸にぶら下がったストップウォッチが、紋章のように見える。走るだけ。最後のシーズンが来る。