霎時施(こさめときどきふる)Drizzle comes and goes.

 Photo by そよ 小さな雨が街を洗い、潤う窓にも、気持ちは晴れず。 これから、日脚も短くなるなぁ。 長い冬の訪れに、少し疎ましい遠縁のあの人たちの顔を思う。 ほっこりと焼かれた人参ケーキは、 厚さ一寸がちょうどよろしいようね。 さぁ、お茶が入りましたよ。

霜降

そろそろ手が冷たいよ、と話しかけながら鳥かごの掃除をする。私は洗う手を速め、鳥は水色の体をふわぁっと膨らませる。私のおしゃべりに、いつも首をかしげるだけの、一番やさしい、一番の友だちだった。