雨水

命を湛えた体を破って、芽を出す。一つの賭けに出る。メッセンジャーとしての使命を知っていて、あなたは身を投げ出すのですか? Advertisements

立春

いつもの窓際の席で、隣り合わせに座る。陽が差し込んで、あなたの横顔は輪郭だけになる。新しい季節が何を変え始めるのか、ふと心細い。まだ、こっそりここで、寒さ凌ぎを口実にしていたいのだけれど。

冬至

クリスマスなんて、本当はどうでもよかったの。日が暮れて少し心細い帰り道、同じ家に辿り着くことができれば、それでよかったの。ディナーテーブルをあなたと囲んでさえいれば、それで十分な私がいた、そんなあの日。

大雪

街々は色合いを変え、人々はいそいそとして見える。急ぎ足の先にどんな特別なことが待っているのか、私には少しの関係もないことだけれど、何かが読み取れるかのように覗き込む。

小雪

少し背伸びしたシックなロングコート。照れくさくて、「いいんじゃない?」という母の顔を見られなかった15歳の私。襟元にまとわりついていた、予感のような秘密ゴトのような微粒子の気配を、今でも思い出すことがあります。