Photo by そよ あの人は、わたしの手首に甘い手錠を掛けた。 薄いピンクの貝殻の小さなお飾りがついた古い手錠。 諦め混じりの吐息と、希望の光を目に宿して、 わたしは、「居場所」という名の監獄に足を運ぶのです。
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Photo by そよ 音楽という乗り物により、連れ去られること幾度もあり。 滑るようになめらかに、あっという間に手を取られ、 命もまるごと、向こう側へ。 連れて行かれた、その場所では、 もはや、帰る意思も術も放棄です。 それは、大きな幸福でしょう。 氷に封じ込められた、熱でしょう。
Photo by そよ 誇らしげな笑み。 でも、若干の苦み混じり。 ブローチのように胸に輝く黄色は複雑。 短い季節だからこそ、 見落とさないようにしたい。 テレパスは、あまりにも一瞬のことだから。 振り返って、もう一度、 拾いに戻ることは出来ないのだから。
あなたはもうすっかり今年の顔して、出掛けていってしまった。まだ言えてない言葉は、寒空の下、わたしと一緒に待ちぼうけ。
Photo by そよ 陽光と気持ちはリンクして、フライング気味の春をぐいぐいと推す。 風が冷たくても、気にしないふり。 「わたしはわたし」とでも言いたいように。