夏至(げし)summer solstice:Length of day becomes longest.

 Photo by そよ 日が長く、うっかりと過ごす午後。 高まる熱に、これからを思う。 「夏至の夜」を「夏至んぴょる」と打ち間違えて。 それは、まるでレギャンの湿波。 植物の名前と潮の音が混じった体言止めの。 通りの向こうのイタリアンレストランまでゆっくり歩いた、 あの年の6月。

腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)Fireflies rise from under old leaves.

 Photo by そよ 逝ってしまったあの人が、帰ってきたわけじゃないのよ。 でもね、そう感じられるほどに、 あの人の気配や匂いを連れてきたわね。 ぽつぽつとした小さな光は饒舌だった。 お母様、心安らかな夏を迎えるのですよ。 そうね、そう致したいものね。 おめでとう。 ありがとう。

螳螂生(かまきりしょうず)Praying mantises hatch.

 Photo by そよ 露草の形と青は、カマキリたちにも、よく似合う。 ツンとしてユンとする、その葉の先に。 ところで、あなた、何を切り取って、その口に入れるの? ちょっとしたタイム・スライダーの遊軍。 なかなかのパンチ、効いてる。 どうか、そのまま。 誰にも飼い馴らされることのなきように。

麦秋至(むぎのときいたる)The barley harvest season begins.

 Photo by そよ 刻を知る? ううん、ただ、この身の理として当然のこと。 去年も一昨年も同じようにしてたから。 あのモナークバタフライ(王様蝶)も、 きっとそうだと思います。 *** 何処か上の空。 熱の中の花。 右肩の痣。 その匂い、靄然として。 浅い眠りの向こう側。 行ったり来たりで、この世の様子を伺うのです。 ただ、時計草だけは常に正直ですね。

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)Silkworms wake up,and eat mulberry leaves.

 Photo by そよ 世界の成り立ちに、ご興味がおあり? では、そのお話は食事の後にいたしましょう。 絹の冷たさと温かさの間。 そこに在るもの。 そこに匂うもの。 *** 目まぐるしく変わるお天気のように、 飛んで行きそうで行かない、どっちつかずのダンス。 破滅を望んでなどいない風で、どこかでそれを待つような。

蛙始鳴(かわずはじめてなく)Flogs begin to croak.

    Photo by そよ 後戻りなどしませんよ。 もう尻尾の名残りもないのですから。 ましてや、あの柔らかなジェルに包まれ、 多くの友とつながった、 生ぬるい季節には戻りようもないのですから。 *** 木香薔薇が乾き散り、光の量も増し増しの候、 皆さま、ご清栄のことと存じます。 青い日めくりがスタートしますね。