水始涸(みずはじめてかるる)Ponds and streams go dry.

 Photo by そよ 空も乾き、泉も小さくなりました。 次の雨まで、気持ちは保持されるでしょうか。 夜半には、熱を冷ました☆と☆が、 手をつないだまんま、落ちてきますね。 墜ちて、堕ちて、落ちてきますね。

蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)Insects and animals hide into their winter nests.

 Photo by そよ 閉じこもりがちな気持ち、固くなりすぎる前に、 嘘の笑みでも浮かべてみれば? 胸の隙間にも、まだそんなに風は冷たくないでしょう? カーテンが揺れるように、髪もそよいで、 ドアをぴっちり閉めるのは、もう少し後でもいいんじゃない? と思ってみるよ。

白露(はくろ)white dew:White dew stays on the grass.

 Photo by そよ それは、オレンジ色の鳳凰が飛び交う夕暮れでした。 素足の爪先には、まだ夏の天色(あまいろ)を残しながら、 日に焼けた半袖の腕を、薄もので微かに隠す頃。 でも、実は緊張のあまり、ほとんど覚えてはいないのです。 ただ、「始まってしまう」ということだけは、 逃れようのない事実なのだと感じていました。