蓮始開(はすはじめてひらく)Lotuses begin to bloom.

 Photo by そよ 永遠の中の刹那。 刹那の中の永遠。 その入れ子式のメビウスの帯。 DNAの螺旋のような。 ワームホールを潜り抜ける、虚と無と空、そして実と有と在。 はい、蓮の花が咲きましたよ。 お盆を過ぎる頃には、あのシャワーのような花托を設営しますね。 *** 人は窓枠であり、同時にその窓に映し出される世界の住人でもあるのだと思う。 そして、言葉もまた窓枠であり、その向こうにある世界そのものだと言えるのだろう。 蝉が今年も短い命を謳う。 Advertisements

温風至(あつかぜいたる)A warm breeze arrives.

 Photo by そよ 粘度のある風に、ふんわりゆんわり結わえられ、 空(くう)を切るにも、少し重ため。 一入(ひとしお)、再入(ふたしお)、その中に浸る。 あとで、ゆっくりかき混ぜよう。 *** 空に天才画伯あり。 朝に見たのは、白い羽根。 今、遭遇しているのは、カンディンスキーのオレンジ染め。 揺れるなぁ…。

半夏生(はんげしょうず)Crowdippers bloom.

 Photo by そよ グリーンと白のくっきりとした組み合わせ。 それを単に涼やかなるものとするだけでなく、 「あなたは悲劇に慣れているのですね」と、 気の利いた、でも容赦ないコメント。 周りは思わず息を飲みました。 7月のパーティは蒸し暑い。 貼り付くブレスレットは、手錠のようね。

夏至(げし)summer solstice:Length of day becomes longest.

 Photo by そよ 日が長く、うっかりと過ごす午後。 高まる熱に、これからを思う。 「夏至の夜」を「夏至んぴょる」と打ち間違えて。 それは、まるでレギャンの湿波。 植物の名前と潮の音が混じった体言止めの。 通りの向こうのイタリアンレストランまでゆっくり歩いた、 あの年の6月。

腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)Fireflies rise from under old leaves.

 Photo by そよ 逝ってしまったあの人が、帰ってきたわけじゃないのよ。 でもね、そう感じられるほどに、 あの人の気配や匂いを連れてきたわね。 ぽつぽつとした小さな光は饒舌だった。 お母様、心安らかな夏を迎えるのですよ。 そうね、そう致したいものね。 おめでとう。 ありがとう。

螳螂生(かまきりしょうず)Praying mantises hatch.

 Photo by そよ 露草の形と青は、カマキリたちにも、よく似合う。 ツンとしてユンとする、その葉の先に。 ところで、あなた、何を切り取って、その口に入れるの? ちょっとしたタイム・スライダーの遊軍。 なかなかのパンチ、効いてる。 どうか、そのまま。 誰にも飼い馴らされることのなきように。

麦秋至(むぎのときいたる)The barley harvest season begins.

 Photo by そよ 刻を知る? ううん、ただ、この身の理として当然のこと。 去年も一昨年も同じようにしてたから。 あのモナークバタフライ(王様蝶)も、 きっとそうだと思います。 *** 何処か上の空。 熱の中の花。 右肩の痣。 その匂い、靄然として。 浅い眠りの向こう側。 行ったり来たりで、この世の様子を伺うのです。 ただ、時計草だけは常に正直ですね。