黒水晶のような子鹿の眼(まなこ)。 「躍動」と名づけたその石を、 竹藪から渡ってきた風が称揚する。 雷(いかずち)の丘では、出会ってしまった蝶二匹。 嘆きにも似たダンスを見せて。 真っすぐと曲線、また真っすぐと曲線が、 屏風画のように迫る五月。 *** 飛んで行きそうで行かない、どっちつかずのダンス。 破滅を望んでなどいない風で、どこかでそれを待つような。 乾いた胸に、まだ雨は降らない。
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Photo by そよ わたしがどちらに向かっているのか、 あなたの目には、わからぬのでしょう。 ご心配なく。 わたしには、その行き先は、わかっておりますゆえ。 *** わたしの中のフリーダ・カーロ。 空の上の十字架。 額の傷も誇らしき様子。
Photo by そよ 後戻りなどしませんよ。 もう尻尾の名残りもないのですから。 ましてや、あの柔らかなジェルに包まれ、 多くの友とつながった、 生ぬるい季節には戻りようもないのですから。 *** 木香薔薇が乾き散り、光の量も増し増しの候、 皆さま、ご清栄のことと存じます。 青い日めくりがスタートしますね。
Photo by そよ 夏が立ち、風が起ち、時は経ち、君は発つ。 始まるものを止められもせず。 見送るばかりの、わたしでもなく。 *** そして、花札のような夜が訪れる。 紅い花、白い月、揺れる葉先に、見える影。 静かに静かな夜が、降りて来る。
あぁ、そうだった。こうして季節は変わっていくんだった。少しずつ、緑が茂り始めて、あの小道が細くなる。2人並んで歩くには、少しだけ手狭になる。大きなぼんぼりのような紫陽花を揺らしながら、あなたと歩いた季節がやってくる。
新芽が若葉に育ち 元気いっぱい弾けています。 黄緑色がお日様に反射して きらきらと本当にきれい。 ジャケットを脱いで シャツ1枚になって お出かけしましょう。 そろそろ半袖を出しておかなきゃね。